2026年10月から、ふるさと納税の制度が変わります。ただし控除の計算は変わりません。変わるのは自治体が返礼品を出すときの審査で、その結果として返礼品のラインナップが動きます。
出典:総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」令和8年3月24日 / 同「ふるさと納税の指定基準の改正等について」令和7年6月17日 / 同「令和8年度地方税制改正(案)について」令和7年12月 / 2026年9月15日確認いつから、何に適用されるのか
総務省が2025年6月24日に出した見直しで、令和8年(2026年)10月から始まる指定に適用されます。ふるさと納税は自治体が国から指定を受けて実施する制度で、その指定の基準が変わるという話です。
寄付する側の手続きとワンストップ特例の期限は変わりません。2026年分の控除も変わりません。ただし控除については、2027年分から高所得者に上限が入ります(後述)。
何が厳しくなるのか
1. 地場産品かどうかの判定が「価格」基準に
返礼品は原則その自治体の地場産品でなければなりません。自治体の外で採れた原料でも、区域内の加工で価値の過半が生じていれば地場産品として認められます。
ここが問題でした。「価値の過半」の算出方法が自治体ごとにばらばらで、同じ製品を複数の自治体が自分のところの地場産品だと主張するようなことが起きていた。今回それを価格に基づく算出を原則と明確化します。
あわせて、製造者が「価値の過半が区域内で生じた」ことを証明し、自治体が募集開始日までにその内容を一覧で公表することが求められます。
2. 仕入れ値が店頭価格を超えられない
こちらのほうが寄付者には効きます。通知にはこう書かれています。
合理的な理由なく、一般消費者に対して販売する際の通常の価格よりも高額である場合には、付加価値基準の適合性に疑義が生じ得るもの
総税市第74号(令和7年6月24日)
つまり、店で売っている値段より高く自治体が買い上げるやり方に説明を求めるということです。返礼品の調達費は寄付額の3割以内と決まっていますが、その3割の中身を実際の販売価格で見るようになります。
3. 広報目的の返礼品に「実績」が要る
ご当地グッズのように、自治体が広報のために配る品を返礼品にするケースがあります。ここに条件が付きました。
直近1年間に、その自治体が広報の目的で自ら調達・配布・販売した実績があること。そして返礼品の提供数が、その実績数量を超えないこと。実績がない場合でも、指定対象期間に広報目的で調達・配布・販売する計画を定めていれば認められます。
返礼品にするために名目だけ広報を名乗る、という使い方が数量の裏づけで縛られることになります。
集める側のルールは、根本から入れ替わる
これまでの基準は「募集にかかった費用が寄付額の5割以下であること」でした。令和8年3月24日の告示改正で、この5割基準そのものが削除されます。
上記改正に伴い、第2条第2号の募集費用総額5割以下基準については削除する
代わりに入るのが寄附金活用可能額——寄付金のうち自治体が実際に財源として使える額——の基準です。
寄附金活用可能額(寄附金のうち地方団体が活用できる財源)の割合を60%以上と設定
いきなり60%ではなく、段階的に上がります。
| 適用年 | 活用可能額の割合 |
|---|---|
| R8(2026年10月〜) | 52.5% |
| R9 | 55% |
| R10 | 57.5% |
| R11 | 60% |
見ている向きが逆になった、と考えると分かりやすい。これまでは「出ていく経費が5割以下か」。これからは「手元に残る額が6割以上か」。ポータルの手数料も送料も返礼品代も、まとめて残りに収めろということです。
返礼品の量が減るか、必要な寄付額が上がるか。どちらかの形で寄付者に届きます。
もう一点。違反があったときに遡れる期間が、最大2年前から最大5年前に広がります。過去の違反で指定を外される自治体が出る可能性があります。
2027年分から、高所得者の控除に上限がつく
控除の話も、ずっと変わらないわけではありません。令和8年度の税制改正で、こう決まっています。
特例控除額について、193万円(給与収入1億円相当)を上限として新たに設定
適用は令和9年(2027年)の寄附分から。寄附額そのものに上限はありませんが、住民税の特例控除として引ける額に天井ができます。
給与収入1億円相当が目安なので、大多数の人には関係ありません。2026年分の控除にも影響しません。ただし「控除は一生このまま」ではない、ということです。
自分の上限額そのものは積み上げ計算機で確認できます。
寄付する側に何が起きるか
- 控除は何も変わらない。上限額の計算も、ワンストップ特例も従来どおり
- 基準を満たせない返礼品は掲載が終わる可能性がある。とくに区域外の原料を使った加工品
- 極端に量の多い返礼品は出にくくなる方向。店頭価格より安く仕入れられる理由が要る
ここは正直に書いておきます。実際にどれだけの返礼品が消えるかは、まだ誰にも分かりません。各自治体の申請が出そろうのは指定の直前で、現時点で公表されている一覧はありません。
9月中に駆け込むべきか
ポータルサイトは「9月30日までに」と書いています。判断材料を分けて考えたほうがいい。
- 欲しい返礼品が具体的に決まっているなら、期限前に申し込む理由はある。10月以降も残る保証はない
- まだ決まっていないなら、急ぐ理由は薄い。控除は変わらず、年内なら今年分に入る
- 上限額を使い切ることが目的なら、12月31日まで時間がある。慌てて上限を超えると超過分は自己負担になる
「制度が変わる=損をする」ではありません。変わるのは自治体の審査であって、寄付者の損得ではない。積み上げ計算機で上限を確認して、いつもどおり選べば足ります。
なぜ規制が続くのか
ふるさと納税の基準は数年おきに厳しくなってきました。返礼品の競争が激しくなると、本来の趣旨である地方への寄付から離れて、実質的な物品の割引販売に近づいていくためです。
今回の見直しには、事務の効率化も含まれています。令和7年の返礼品で基準不適合がなかった約1,200団体は、次の指定から書類の一部提出を省けます。締めるところと緩めるところを分けた改正です。
結局どうすればいいか
- 控除の心配は不要。計算も手続きも変わらない
- 狙っている返礼品があるなら9月中に。10月以降も残るとは限らない
- 決まっていないなら急がない。年内であれば今年分の控除に入る
- 10月以降は掲載が変わる前提で、ブックマークやお気に入りを当てにしない
ほかのポータルでも探す
ここで書いた制度の話はどのポータルでも同じです。違うのは返礼品の顔ぶれと寄付額で、同じ返礼品でもサイトによって寄付額が違うことがあります。決める前に見比べておくと確実です。
ふるさと納税サイトの ふるなび でも、同じ自治体の返礼品を扱っていることがあります。寄付額が違う場合もあるので、あわせて確認してみてください。
朝日放送テレビが運営するふるさと納税サイトでも、返礼品を探せます。ふるラボで探す


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